ファンクラブ

TRM活用事例-0109(2010-2-15)

活用事例名[利休の茶の道]
          
  
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この事例は「 ■情報取得 □再生思考 □生産思考   」です
解説・コメント
 
 
 現場5Sの管理は5S(整理・整頓・清掃・躾け・清潔)の定着に課題を残すことが、
ミツワファンクラブのNO100に掲載してある。その折、その定着には茶道の道が5S
の求める究極の姿と一致することを発表したところ、疑問を呈する向きのお問い合わ
せを頂いたので「利休の茶の道」をミツワ神心の科学(S3タイプ)で情報取得した。
参考に供されたい。
 なお、情報はぎょうせい発刊「日本のお茶(Vお茶と文化)」より取得した。
 利休は戦国の将、織田信長、豊臣秀吉につかえてお茶頭となる。秀吉の茶会に後
見役をつとめて日本一の茶の湯者とされた。しかし、引き立てられた秀吉によって、
1591(天正19)年70歳で自刃させられ、この世を去った。
 利休は茶道の理論的完成を成し遂げただけでなく、茶室から庭、道具、茶の湯の作
法に至るまで、茶の道に体系的な工夫をこらし、様式化して精神文化の水準まで茶を
高めた。
茶の湯とは只湯をわかし茶をたてて
        飲むばかり
       なるもとを知るべし
 利休の茶の湯に対する改革は、その先達である珠光や武野紹鴎にくらべ茶事の
全てにわたり包括的である。
 座敷ひとつにしても珠光の真、紹鴎の行、利休の草として並び称されている。この
真・行・草は書道でいう楷・行・草書になぞらえた美の意識にほかならない。

 利休の改革は茶事万端の改革を意味して、しつらい(環境)の美学*1、心の内か
ら綺麗(人格の淘汰)*2にする二面の意味がある。環境には季節によって趣の違い
まで考慮し、人格の淘汰では悟りの境地といわれる自然体にまで言及している。
究極は主人・お客ともども上・下の別なく敬いなごやかに安穏の時を静かに過ごす
としている。

 職場5Sの管理は現場力の向上を意味して、しつらいの美学と同意なモノが乱れ
ないように、心の内から綺麗と同意な心の乱れないような同質な意味がある。5S
はまんねりに陥いらないよう常に新風を吹き込んで継続することを留意するが、茶
の道では四季輪廻する季節感に配慮してる。また、5Sでは管理サイクルPDSAを
重視しているが、茶の道では修練を重ねることで風格から滲みでる自然体の境地
に至るプロセスに着眼してる。茶の道では和敬静寂の人環適応を狙っているのに
対して、5Sでは職場のモラールが反映される点が等しい。

 ミツワで解析の如く、茶の道は繰り返し修練を積むことで様式化しているが、5S
では定着を図るには習慣化することが肝要の点も又同じである。ミツワの象徴表
札の7項目のすべてにおいて、現場5Sの定着化と茶の道とはマッピングしている
ことが証明された。
*1 利休は座敷の中に菰天井、丸田柱、塗壁、下地窓、にぐり口などをしつらえたが、
座敷へ入るにはそれまでの身分の上下によって違えていたものを、等しくにぐり口か
らとしたのは利休による独創である。露地と称する茶庭についても、跳木戸のある二
重露地、中くぐりをつけた三重露地、手水鉢、飛び石、石灯籠、腰垣、腰掛待合、石
橋、雪隠の工夫など、内容と形式を完成させたのが利休である。
 そのほか、二汁三菜を重いものとし、一汁一菜を通常として、侘び仕立ての工夫を
した会席料理。季節の花を目立たないように生けるを旨とした茶室の床の花。茶人に
ふさわしい服装、身だしなみ。
*2 茶道は朝に夕に、志と堪忍と器の三つのことについて、自重自戒しなければなら
ない。志は茶の道への志である。忍耐は文字通り耐えること、辛抱することだ。器は
、茶の器ではない、人の器のことである。人格・・・・・・・何よりも立派でなければなら
ない。
           
     
○ おなまえ     中小企業診断士 三ツ井 磐
○  メールアドレス   mitsuwa@po27.lcv.ne.jp