活用事例名[ワッセナー合意/1982:オランダ]
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○ TRM
0 |
ワッセナー
合意 |
大局で 政策合意 政労使 |
1 |
社会保障給付維持 |
制度でも 時代そぐわぬ 改革す |
2 |
利潤増大 |
長期的 労使が合意 得れるはず |
3 |
賃金抑制 |
賃下げは 時間を抑え ライフ換え |
4 |
生計費スライ
ド条項撤廃 |
団体の 交渉ネック ナタ振るう |
5 |
労働時間短
縮 |
パートとも シェアリングで 雇
用増え |
6 |
失業の抑制 |
苦楽とも 共に分かちて 栄え行く |
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この事例は「 ■情報取得 □再生思考 □生産思考 」です
このミツワは全労連レポートより情報取得している。
1970ー80年代はじめに高失業率に悩まされたオランダは、フルタイム労働者との均等待
遇を保障したパートタイム労働を導入し、着実に失業率を下げてきた。
パート労働導入のきっかけは、1982年政労使三者間で結ばれた「ワッセナー合意」であ
った。その概要は以下の通り。
● 政府の勧告
労使に対して失業の削減と利潤の増大のために、団体協約から生計費スライド条項を撤
回し労働時間短縮することを勧告。
● 使用者の受入れ
労働時間の短縮を履行し失業者の削減に努めた。
● 労働者の受入れ
生計費スライド条項の撤回を受入れ、社会保障給付の維持を前提に企業の利潤増大のた
め賃金の抑制に努めた。
この合意は企業の利潤増大の目的と労働者の失業者の抑制目的を達成のため、2律背反
関係の硬直化の一因であった生計費のスライド条項を政府が大所高所から撤廃するよう勧
告した英断にある。結果として、労使は賃金抑制と労働時間の短縮という2つの果実を手中に
収めた。その柔軟な結末を引き出したものは、社会保障の給付維持という政府でなくては出
来ない伝家の宝刀だった。
このような合意を発展させ1993年労働法改正によって、パートタイム労働とフルタイムとの
均等待遇の保障が確立した。パート労働者には賃金・給与、年金、保険、社会保障、労働条
件など、あらゆる面でタイム労働者への差別が禁止された。このことはパートからフルへ、フル
からパートへ労働者の意思により移動を可能にした。この結果、パート労働者の割合は37.9
%(1997)で経済協力開発機構(OECD)の中で最高となった。失業率も約3%までに低下し
た。「ポルダー・モデル(オランダ・モデル)」とは、決定の過程において政労使間で協議を行う
国の機構のことである。
2002年総選挙では、第一党であった労働党は45議席から23議席に減って、キリスト教民
主党(43議席)が第一党になり極右的政策を掲げた「フオルトウイン」が第二党へ進出、ヨーロ
ッパに波及している右翼勢力台頭の流れを裏付けるものとなった。この2党に自由民主党を加
えて三連立政権が発足したが、僅か3カ月でフオルトウインの混乱がきっかけで連立政権継続
を断念して総辞職した。
文責:三ツ井磐
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