はじめに

 ミツワ思考法(Three Ring Method:以下「TRM」 と略称)は、個人的な思考力を高め、各人の認識の世界に応じた実践的・創造的な思考に適しています。
   *この理論展開は「ミツワ思考法」(TRM)を用いています。
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     ・E-mail: mitsuwa@cap.ocn.ne.jp

 夢や希望を実現できる人と、頑張ってもなかなか成果を出せない人がい ます。これは実践段階における考え方の差であるのは明らかです。しかし、 個人の考え方は、5感に与えられた外界の刺激に、自己の意識が反応した 結果であるため、多分に個人的な思考の習慣に支配されることが多くなり ます。従って、優秀な成果を納めるには、思考習慣を透視でき客観的に評 価が可能な方法を採用することが大切となります。「透視」は考えている 内容について、その位置と広がりと深さを表すものでなくてはならないの です。

 そこで、個人の考え方を補強し成熟させる外界からの刺激は、自己意識 の要請に応じ秩序よく活用できる脳内組織に置き換えるべく、一定のルー ルによって整理、保管、加工しておく必要があります。また、そのストッ クは、脳内の思考回路を常に緻密に補強ができるように、柔軟な増殖機能 を有していなければなりません。それは6角形の蜂の巣のように、神経細 胞を室に喩えれば、その突起である神経繊維は室を形作る仕切の壁を意味 し、その仕切は隣の室との境である外壁であるように、個の巣の連鎖が認 識の広さを表し、神経細胞が集まり神経節を形成している様は、多段階の 巣に似て認識の深さを表現しています。従って、蜂の巣の如き神経細胞を 意識して外界の刺激をとりこむことが、柔軟な「増殖」機能を高めること に繋がります。

 また、実践段階における考え方は、個人の置かれた位置やその環境、使 える資源に多様性があるため、何ら法則性を見い出し難かったが、3つの 「重課」(肝心かなめ)の獲得とシステム化によって、TRMが「実践思 考法」として体系化しました。TRMは実践のための意識を明確に出来る ことから、自主性と持続性のパワー発揮に繋がり、より成果を出やすくし ています。その効果が最大限に引き出されるのは、自分が考え抜いて独自 な智恵(ノウハウ)が獲得できたTRMを完成させ、自ら「内燃」の推進 エンジンを搭載した時であります。なお、実践的な考え方は、繰り返し意 識的に使い神経細胞が増殖するにつれ、その精緻さは幾何級数的に「生成」 発展を遂げていきます。

 最後に、TRMは時代が要請している創造的な考えを生み出すツールと しても活用できますことを付け加えておきましょう。実業界で実践的な成 果を納めた先人の多くは、夢や希望の実現を阻害している課題の内で、解 決すれば最も効果が上がる核心的な問題に真っ正面から取り組み、当初の 夢を実現してきた人々です。しかし、普通殆どの人々は、その課題の持つ 障害の大きさ故に、回避して通ってきた場合が多いのです。そのように極 めて多くの人々が成し得ていない問題を解く鍵というのは、現実とのギャ ップを後(のち)に智財(ノウハウ)となった創造的な考え方で解決して いる事が多いのです。言い換えればそれは「生産」的思考の賜と解釈でき るが、TRMは肝心要(かなめ)の根元を考えることを基本としているた め、しばしば創造の必要性の機会に恵まれ、他人(ひと)と異なる切り口 を持って、事象を捉えるが故に独創的な思考体系をつくることができるこ とに注目していただきたいのです。